サ旅 フィンランド2019⑦ 〜ラヤポルッティ・サウナ〜

02.01.2019

“内向的なフィンランド人は自分の靴を見ながら他人と話す。社交的なフィンランド人は相手の靴を見ながら話す。”

これはシャイなフィンランド人の気質を表す有名なジョークだ。

しかし本当のフィンランド人はおしゃべり好きでオープンな性格の人が多いらしい。

そんな素顔のフィンランド人に出会えるのがサウナなのかもしれない。

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「ラヤポルッティ・サウナ」

世界最古の公衆サウナとして知られている。

可愛らしい受付で料金を支払い、中へ。

まず更衣室兼休憩所となる部屋があり

その奥がサウナとなっている。

こちらは男女別。裸で入る。

鍵のかかるロッカーのようなものはないので、気になる人は貴重品を受付に預けた方が良いだろう。

地元の方たちがすでにたくさんいた。

なんとか荷物の置き場を見つけ着替え始める。

するとサウナ内で何か撮影している人がいた。

なんだろう?と思っていると

隣のオジサンに声をかけられた。

「彼はドイツ人で、世界のサウナを撮影して映画を作ってるんだって。」

と教えてくれた。

「へぇ。そうなんですか。」

と答えたが、撮る方も撮られる方も皆素っ裸。

冷静に見ればおかしな光景だ。

「タンペレには仕事で来たの?」

「いいえ。サウナに入りに。」

「サウナだけ?よく来たな。」

と歓迎してくれた。

その後、まわりの人たちも含めいろいろと質問したりされたり会話がはずむ。

服を脱いで10分くらいたっていたが

まだサウナには入れずにいた。

「よし。そろそろサウナに行こう。」

そう言って皆でサウナ室に向かった。

ようやくサウナだ。

サウナ室は2層構造になっている。

メゾネットタイプといえばわかりやすいかもしれない。

1階部分がいわゆる洗い場のようなスペースで

2階にコの字型のベンチがある。

湿度はかなり高め。

温度は普段はだいぶマイルドだが

ロウリュすると心地よい蒸気を感じられ

けっこう熱くもなる。

サウナ室でも話は続く。

私はそれほど英語が喋れるわけではない。

一人で海外旅行がなんとかできる程度なのだが、

常連のオジサンたちもそれほど英語が得意ではない様子。

ちょうどレベルが同じくらいだったので話しやすかった。

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サウナを出ると今度は

「外に行こう」

と誘われた。

外は一応パブリックスペースなのでバスタオルを巻いて出る。

「雪を身体にのせると気持ちいいぞ」

とか言いながらオッサン同士で雪をのせあっている。

部屋に戻ると、さっきのドイツ人とフィン人のオジサンが話していた。

「今日はドイツのビールを持ってきてやったぜ。美味いから飲んでみな」

とビールを手渡した。

フィン人のオジサンはそれを飲むと微妙な顔をしている。

「どうだ、ウメーだろ?」

「美味いっちゃウマいけど…冷たすぎる。」

「しょーがねーだろ。俺はここまで歩いて持ってきたんだ。外はまるで冷凍庫じゃねーか。」

そう言ってドイツ人は怒っていたが

周りの皆は大爆笑していた。

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コチラに限らず、フィンランドのサウナは飲み物の持ち込みには寛容なようだ。

各々好きなものを用意して飲み、話し、サウナに入る。

本当に自由に楽しんでいる。

見知らぬ人間にも優しく、日本でよくある常連さんの圧みたいなものを感じることもない。

私もビールをご馳走になり楽しい時間を過ごした。

会話が多めでそんなにサウナには入っていないが、あっという間にヘルシンキへ帰る電車の時間が迫ってきた。

着替えを済ませ、駅へ向かう。

「キートス」

皆にお礼を言うと

「モイモイ」

「また来いよ」

と送り出してくれた。

外は寒いが、とても暖かい場所だった。

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