31.12.2018
冬のヘルシンキの夜は長い。
朝8時。朝食のビュッフェへ。窓際に座ってみたが外はまだ暗い。
今日は2件のサウナに行く予定だ。
まずは「サウナ・ヘルマンニ」。
ホテルのあるハカニエミからは6番のトラムに乗ればすぐなのだが、まだ開店時間まで間があるし歩いて行くことにした。
20分ほど歩いただろうか。大通りから少しはいったところにSAUNAの文字が見えた。
階段を降り扉を開けると看板犬の「ミロ」と愛想の良い店主が笑顔で迎えてくれた。
「モイ。サウナかい?12ユーロだよ。タオルは持ってる?」
ロッカーの鍵を手渡しながら店主は優しく説明してくれた。
サウナ好きとはいえ異国のサウナにひとりで行くことにいささか緊張していたのだが、彼の笑顔がそれを忘れさせてくれた。
中に入ると真ん中に大きなテーブルがありその周りをロッカーとベンチがぐるりと取り囲んでいる。
フィンランドでは更衣室がそのまま社交場になっている事が多い。着替えたり、ビールを飲んだり、頼めば食事もできたりする。
サウナ室の手前にシャワー室。身を清めていざサウナ室へ。
薄暗い室内は奥にサウナストーブ。サウナストーブより高い位置に6.7人座れるベンチとその対面やや低い位置に3人位座れるベンチがある。
ロウリュはストーブの近くに座った人が担当している。声をかけたりかけなかったり。特にルールはないようだ。みなそれぞれ自由に楽しんでいる。
ただ後から入って来た人はまず下のベンチに座り、上のベンチが空いたら順番に上にあがるというのが暗黙のルールとして存在するようだった。
印象に残っているのは、変わった風貌のおじいちゃん。上段のベンチに座ると結構頭が天井に近づくのだが、彼はベンチの上に小さなマイチェアを持ち込んでさらに上を目指そうとしていた。
看板犬のミロは受付から更衣室、時にはサウナ室にまで入ってきた。
しかし周りの人間も特に気にとめてはいない。
なんとも自由な雰囲気だ。
この日は大晦日。
そのせいなのかはわからないがどんどん人が増えてきた。サウナ室の前にも行列ができている。
すでに何セットか終えていた私は退散することにした。
夜にはもう1件予約を入れてある。
ロッカーの鍵を返しながら
「キートス。モイモイ。」
そう店主に告げるとあいかわらずの笑顔で見送ってくれた。ミロも出口のところまでついてきてくれた。
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