05.01.2019
フィンランド・ヘルシンキから対岸の国エストニア・タリンへ。
大型のフェリーで約2時間。便数も多く、ヘルシンキから日帰りで訪れることもできる。
中世の面影を色濃く残す旧市街を抜けた先にそのサウナはある。
「カルマ・サウン」
いかつい外観の扉を恐る恐る開け中に入る。
日本でいう番台のようなところでお金を払い奥へ。
ここから先は男女別。
入るとすぐに売店があり、飲み物やヴィヒタなどが売られている。
ヴィヒタは白樺だけではなく、いろいろな種類の物が売られている。
地元の人たちはまず最初に購入したヴィヒタをお湯につける。
それからのんびり服を脱ぎ、体を洗う。
いざサウナへ行く頃にはちょうど柔らかくなっている。
そのためのタライのようなものがたくさん用意されているのだ。
フィンランドではあまり見かけなかったが、モスクワのバーニャでは似たような感じだったことを思い出した。
サウナ室はそこそこ広く定員20名くらいか。
なかなかの高温。
もちろんロウリュもできるが、フィンランドに比べるとそれほど熱心ではない。
そのかわり、ここの方たちはとにかくウィスキングがお好きなようだ。
セルフで、あるいは隣の人とすごい勢いで叩いている。いや、叩きまくっている。
飛び散る葉っぱ。
飛び散る汗。
逃げ場はない。
みんな他人など気にせず一心不乱に叩いている。
葉っぱを持っていないのは私だけだった。
国がかわるとサウナもかわる。
なかなかすごい光景だった。
それにしても柔らかそうな葉っぱはまだ良いのだが、針葉樹の葉っぱは痛くないのだろうか?
ちなみに今では北海道方面で見られるようになった壁に水をかける「ウォーリュ」を初めてみたのはここだった。
サウナ室を出ると水風呂があった。
これもフィンランドにはなかったものだ。
結構大きめでかなり冷たい。
おそらくグルシン。ジュード・ロウ。
しかし誰も入ろうとしない。
ひとり水風呂に入っているとおっさんが近づいてきた。
「お前、冷たくねぇのか?」
と言いながら手を水につけると
「冷てぇじゃねぇか。よくこんなとこ入ってられるな」
と言い残してどっかへ行ってしまった。
私はその後も日本式のサウナ・水風呂・休憩を愚直に繰り返したが、きっとエストニアの人たちには変なやつだと思われていたのだろう。
なにせウィスキングをしない奴も、水風呂に入る奴も他にはいないのだ。
でも誰も入らないのになんであんなに立派な水風呂があるのだろう?
世界のサウナの多様性を垣間見られる素晴らしい体験だった。
*その後大規模リニューアルしたとの噂です。
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